ダイアトニックスケール
「スケール」とは音と音の間隔に注目して、規則的に並べることを言いましたね。
そのスケールの中で最も有名なものがダイアトニックスケールと呼ばれるもので、これはオクターブの音程を5つの全音と2つの半音で構成されています。
いわゆるメジャースケールとマイナースケールも全音5つと半音2つなのでこれに当てはまるのです。
今回はそのダイアトニックスケールについて見ていきましょう!
ダイアトニックスケールとは?
もくじ
ダイアトニックスケールという名前はついていませんでしたが、古代ギリシャのころからこの考え方は存在していました。
どうやら自然界には音が7種類あり、どの音から始めるかによって聞こえ方が異なるということに気が付き、どれから始めればよいのかを考えられてきました。
研究された後、グレゴリオ聖歌を代表とする教会音楽がの時代(中世)には7つに分けられました。これらを「モード」といいます。
7種類のモード
・イオニア(Ionian)
・ドリア(Dorian)
・フリジア(Phrygian)
・リディア(Lydian)
・ミクソリディア(Mixolydian)
・エオリア(Aeolian)
・ロクリア(Locrian)
これらの最後に「ン」をつけて、「イオニアン」、「ドリアン」と呼ぶこともあります。
(ダイアトニックスケールは音階を上がっていくのではなく、下がる方向で考えられていたのですが、ここではわかりやすさのため上昇方向で考えていきます)
自然界に響き渡る音は7つのあると言われ、それらの正体はピアノの鍵盤でいうところ白鍵に当たるわけですが、これをどの音から始めるかによって、音と音の距離感が変わるので別物に聞こえます。
そのパターンが7種類あるのでダイアトニックスケールが7種類に分かれました。
全音と半音
それぞれのモードは音と音の間隔に注目した考えなので、間隔の数え方を知る必要があります。
現代は音が12種類あり、その並びがピアノの鍵盤を見ればわかるのですが、順番に見てみると「ド」「ド♯」「レ」「レ♯」「ミ」「ファ」「ファ♯」「ソ」「ソ♯」「ラ」「ラ♯」「シ」「ド」の並びです。
「ド」を基準にして考えると「ド」から「レ」までは間に「ド♯」を挟むので、全音ということになります。
一方ミからファは間に何も挟まないので半音ということになります。
「ド」を基準にすると「レ」は「全音」、「ミ」も「全音」、「ファ」は「半音」、「ソ」は「全音」、「ラ」も「全音」、「シ」も「全音」で最後「ド」に戻ってくるときは「半音」ということになるので、その間隔に注目すると、「 全音、全音、半音、全音、全音、全音、半音」の順になります。この間隔をイオニアスケールと言い、メジャースケールとも言われます。
言葉で説明してもわかりにくいので表で見比べてみましょう。
モード | 1-2音間 | 2-3音間 | 3-4音間 | 4-5音間 | 5-6音間 | 6-7音間 | 7-8音間 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
イオニア | 全 | 全 | 半 | 全 | 全 | 全 | 半 |
ドリア | 全 | 半 | 全 | 全 | 全 | 半 | 全 |
フリジア | 半 | 全 | 全 | 全 | 半 | 全 | 全 |
ミクソリディア | 全 | 全 | 全 | 半 | 全 | 全 | 半 |
エオリア | 全 | 全 | 半 | 全 | 全 | 半 | 全 |
ロクリア | 全 | 半 | 全 | 全 | 半 | 全 | 全 |
5つの全音と2つの半音からなる組み合わせで、どこから開始するかを一つずつずらしていきました。
モードの一つずつ見ていこう
7種類あるモードを一つずつ見ていきます。
イオニア(Ionian)
最も馴染みがあるでしょう。これがメジャースケールです。
明るくて安定感があり、どのようなジャンルにも似合います。
ドリア(Dorian)
ナチュラルマイナースケールに似ていますが、それに比べて6度の音が半音高いです。
似ているのでナチュラルマイナーと同じような特徴を持っており、これを使用するならばジャズやブルースがいいでしょう。
フリジア(Phrygian)
ややダークな感じがしますよね。これもマイナースケールよりのモードです。
中世の教会音楽で使用されたり、スペインのフラメンコで使われることが多いです。
リディア(Lydian)
明るい雰囲気を持ちますが、メジャースケールのようにどっしりと安定しているわけではなくてどこか浮遊感があります。
ポップスやロックで使われることはほとんどないのですが、映画やゲームで出てくる幻想的な雰囲気に似合うでしょう。
ミクソリディア(Mixolydian)
こちらもメジャースケールに似ていますが、7度の音が半音低いので、最後に少し物足りなさを感じます。
ブルースやロックなど、明るいのですがどこかに暗さを残したい音楽にはよく使われます。
エオリア(Aeolian)
久しぶりに馴染みのあるスケールがきました。いわゆるマイナースケールです。
言うまでもなく幅広いジャンルで使われており、哀愁漂う暗い雰囲気を持つのが特徴です。
ロクリア(Locrian)
やや暗めで不安定な雰囲気を持つのがロクリアです。
トライトーンを持っており、非常に扱いにくいため使用頻度が低いです。
まとめ
今回はダイアトニックスケールについて見ていきました。
まとめ
・ダイアトニックスケールは5つの全音と2つの半音で構成
・モードと呼ばれる分類を見ると7種類に分けられる
・イオニアスケールは俗に言うメジャースケールで、エオリアスケールは俗に言うマイナースケール