木管楽器とは? ~木管の成り立ちの歴史~
今回は「木管楽器」について見ていきましょう。
木管楽器といえばその名の通り木でできている楽器を想像するかもしれませんが、そうではないんです。
ここでは木管楽器の役割やそれぞれの特徴を踏まえて説明していきますので「木管楽器」とはどのような楽器なのか詳しく見ていきましょう。
もくじ
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木管楽器の特徴
木管楽器はリードを使う、もしくは金管楽器以外の管楽器です。金管楽器の定義が「唇の振動で音を出す楽器」でしたのでそれに該当しない管楽器のことですね。
フルートのように見た目が金属でもリードを使って音を出すので木管楽器ですし、見た目から想像がつかないかもしれませんが法螺貝は唇の振動で音が出るため金属楽器の仲間です。
金管楽器はマウスピースを使いますが、木管楽器ではマウスピースに「リード」と呼ばれる板取り付けてを使います。リードを一枚使うのがシングルリード、2枚使うとダブルリードと呼ばれます。
リードは葦(あし)というイネ科の植物から作られており、自然由来であるがゆえに頻繁(数週間)で交換させる必要があり、中には当たり外れがあります。
演奏方法は共通して、木や金属でできた本体に息を通して振動させて音を出します。
アンサンブル
木管五重奏は通常はフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンから成り立ちます。
ホルンは金管楽器ですが、木管楽器との相性が良く、やや不足気味の低音がカバーできることから入っています。
しかし、それでは「木管五重奏」という言葉が間違っているので、しばしば金属楽器であるホルンを入れた構成を「混合五重奏」と言われます。
ここからホルンを抜いた4つの楽器で構成されるのを「木管四重奏」と呼びます。
木管楽器の歴史
各楽器の歴史はそれぞれの紹介のときに書かれていますので、ここでは木管楽器全体の歴史を見ていきます。
木管楽器は古代エジプトやギリシア文明から存在したと言われ、動物の骨や竹などを加工して作られてました。
中世の宗教音楽や宮廷音楽ではフルートの一種であるリコーダーを中心によく使われました。その後のバロック期にはオーボエやフルートが発展します。
18世紀には木管楽器を使った構成が増えてきて、ベートーヴェンやバッハを中心にオーケストラに取り入れられてきます。
それからはポピュラー音楽ではもちろん、ジャズや吹奏楽で使われます。
木管楽器の良さが引き立つ5曲
木管楽器の中でも代表的な6つを紹介します。
サックス
金属製でできていることが多いですが木管楽器の仲間です。ベルギーのアドルフ・サックスが作ったことからサックスと呼ばれる様になりましたが、正式にはサクソフォーンといいます。
種類は色々とあり、代表的なものは「ソプラノサックス」「アルトサックス」「テナー・サックス」「バリトンサックス」などがあります。音が低くなればなるほど本体が大きくなります。
ジャズの定番楽器であり、そのかっこよさは他の楽器に比べより一層目立ちます。
名探偵コナンのテーマには本当によく合いますのでぜひ聞いてみてください。
【名探偵コナン メインテーマ】サックスで吹いてみた Detective Conan Main Theme 名偵探柯南主題曲【ユッコ・ミラー】
フルート
持ったときに他の楽器は縦方向に楽器を構えますが、フルートは横方向に持ちます。
歴史的には中世までは木材や象牙で作られていましたが、クラシックが台頭した18世紀に金属製のキーが追加されて現在のフルートの形ができました。
リードを使わずに直接息を吹き込みますが、木管楽器に分類されます。空気がリードの代わりになって演奏されることからエアリードと呼んだりします。(多少こじつけに聞こえなくもないですが...)
吹奏楽の中では高音パートを担当することから華やかさが魅力的な楽器です。
ピッコロ
フルートの仲間ですが、フルートよりも短くて半分以下が一般的です。
サックスのところで書きましたが、管が短ければ短いほど高い音が出るので、ピッコロの音は他の木管楽器に比べて非常に高いです。
吹奏楽やオーケストラで使われることももちろん、軍楽隊のマーチに使われることがありました。
フルートよりも1オクターブ高い音を出せることから、メロディを弾いているピッコロは高音の響きが大事担ってきます。
クラリネット
管体はプラスチックや金属のものもありますが、木製が一般的です。18世紀にクラリネットがヨーロッパで広まり、特にウィーンで広まったことからモーツァルトがクラリネット協奏曲を作ったぐらいです。19世紀になるとキーシステムが改良されて今の形になりました。
クラリネットは柔らかい音色ですが、4オクターブ前後と音域が広く、表現の幅も広いのでよく使われる楽器です。
動画では細かい動きをしており、強弱をつけるのも得意としている楽器です。
【超絶技巧】二万円のC管クラリネットで『熊蜂の飛行』演奏してみた - Flight of the Bumblebee -
オーボエ
17世紀にフランスの楽器製作者ジャン=アンリ・オーボワンが原型を作りましたが、このときできたのはキーがなかったのです。18世紀には改良されて現在のオーボエの形ができました。他の木管楽器はリードが1枚ですが、オーボエには2枚あります。
なお、オーボエの有名な話としては世界一難しい木管楽器としてギネスに載っている事が挙げられます。
オーケストラのチューニング役としてオーボエが使われます。
William Welter performs Mozart's Oboe Concerto
バスーン(ファゴット)
英語ではバスーン、イタリア語ではファゴット呼ばれる低音楽器があります。オーボエに続いて17世紀に開発され、オーボエと同じく18世紀に改良されました。現在の形になったのは19世紀後半でオーオケストラや吹奏楽で使われるようになりました。
100万円を超えることもザラではない高級目の楽器ですので、特に学校の部活ですと予算的にない場合があります。
木製の温かみのある音が特徴で柔らかく、どこかに懐かしさを感じる曲調です。
【あつ森】あつまれ どうぶつの森 メインテーマ BGM【ファゴットで演奏してみた】feat.のっちです。Animal Crossing New Horizons BGM with Fagotto
まとめ
今回は木管楽器について見ていきました。
- 古代は動物の骨や竹などを使って木管楽器を作っていました。
- 金管楽器以外の管楽器を木管楽器と呼びます
- 代表的な楽器は「フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット」です。