EDMとは? ~EDMの成り立ちと歴史~
音楽のジャンルの一つに「EDM」というものがあります。
「EDM」は Electronic Dance Music の略で、そのまま日本語にすると「電子音で作られた踊れる音楽」とかでしょうか?
Electronicは弦楽器や打楽器のように引いたり叩いた音がそのまま出るのではなくて、機械を通じて出る音を指しています。楽器では、主にシンセサイザーが挙げられます。
その後に続く Dance はダンス、つまり踊れるようなノリの良い曲を指しています。
それでは「EDM」とはどのような音楽ジャンルなのかを見ていきましょう。
もくじ
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EDMの特徴
まずはEDMの特徴から見ていきましょう。
EDMの定義はやや曖昧です。ダンスミュージックの中にはハウスやテクノ、トランスというジャンルがあるのですが、EDMはそれらを含んだ総称となります。
主な特徴としては以下の3つが挙げられます。
- BPMは128程度
- シンセサイザーの音が何重にも重なる
- リズムは4つ打ちのキック(バスドラム)に合わせて跳ねる
テンポが早すぎたり、キックが弱いとダンスミュージックとして適切ではなくなります。
演奏人数
大人数で演奏することはなく、DJが一人で演奏することが多いです。
曲の構成
他のジャンルと似たような構成ですが、我々がよく使うAメロ、Bメロといった言い方はしないのでぜひ覚えてください。
イントロ → ヴァース→ ビルドアップ → ドロップ→(繰り返し) → アウトロ
聞き慣れない用語があると思うので説明します。
ヴァースとはJPOPなどでいうとAメロに当たります。曲の中でも比較的静かな歌いはじめの部分です。
ビルドアップはBメロのようにサビへ行く手前で盛り上げる過程を指します。ビルドアップでは、例えばライザーと呼ばれているシンセサイザーの音を徐々に上げていく手法がよく使われます。
サビをドロップと言います。EDMのドロップの特徴はボーカルが無いことです。シンセサイザーを中心とした電子音で人々が踊りたくなるような音楽を演奏できるかが鍵です。
EDMの歴史
他のジャンルに比べると歴史は非常に浅く、その歴史を遡ってみると1970年ころからディスコが流行し、電子音を使ったや音楽やダンスの進化に影響しました。
1980年頃にはハウスやテクノといったジャンルでシンセサイザーやドラムマシンが使われるようになり、それらの影響を受けて2000年代からエレクトロやトランスといったEDMができました。
他のジャンルでは最初にそのジャンルの曲を作った人や広めた人がいましたがEDMは具体的に一人と決まっていません。
フランスのシンセサイザー演奏者の Jean-Michel Jarre(ジャン・ミッシェル・ジャール)はエレクトロミュージックを広めた人物の一人ですし、デトロイト・テクノの第二世代の一人に数えられるCarl Craig(カール・クレイグ)も多くのEDM楽曲に影響を与えてきました。また、オランダのDJ Tiësto(ティエスト)も中心的な人物です。
2000年代前後に様々な国でDJやその他ミュージシャンが広めたとされています。
ジャンル
EDMには様々なジャンルがあります。それを見ていきましょう。
Big Room(ビッグルーム):その名の通り大きい場所向けの音楽で、大規模なフェスでよく使われます。
Progressive House(プログレッシブハウス):こちらも名の通り美しいメロディときれいな進行によって支えられます。
Groove House(グルーブハウス):ディスコやファンクの影響を受けて軽快で踊りやすい曲が多いです。
Future House (フューチャーハウス):力強いベースラインと透明感のあるサウンドが特徴です。
Bounce(バウンス):バウンスは特定のサウンドやリズムパターンを指し、踊りやすさを追求したジャンルです。
Future Bass(フューチャーバウンス):バウンスの要素を取り入れつつ躍動感あるビートと未来志向のサウンドが特徴です。
Dub Step(ダブステップ):思いベースラインとダークで重厚な雰囲気があるのが特徴です。
ハウスと言う名前が多いことから音楽ジャンルの一つである「ハウス」から強く影響を受けていることがわかりますね。
EDMを6曲紹介
EDM界の有名人とその代表的な曲を紹介します。
Avicii
まずは言わずもかな Aviciiを紹介します。
Aviciiはスウェーデン出身のプロデユーサー/DJでEDM作曲者として最も有名と言っても過言ではありません。
日本では「Wake Me Up」や「Waiting for Love」が有名ですが、彼が国際的に有名になった曲である「Levels」を紹介します。
Alan Walker
お次も有名人Alan Walkerを紹介します。マスクをして顔を隠しているのが特徴です。
こちらも有名になったきっかけの「Faded」を紹介します。
Calvin Harris - Outside
ポップやエレクトロニクス、ダンスなど様々なジャンルが合わさて作っているのがCalvin Harrisです。
弦楽器風のの楽器を使ったメロディーは軽やかさもありますが、キックの強さは響いているのでEDMらしさはあります。
Martin Garrix – Animals
Martin Garrixはオランダ出身のプロデユーサー/DJでプログレッシブハウスやフューチャーバスなどのジャンルで有名です。
2013年にブレイクしたきっかけの「Animals」は動物の仮面を被った人たちが出てきて、少し怖いのですが、とても印象に残りやすい曲です。
Kygo - Firestone
Tropical House (トロピカル・ハウス)というジャンルを聞いてみてください。
このジャンルはKygoが一番有名で、その名の通りトロピカル(南国)の雰囲気を感じるEDMです。
EDMの中でも少しゆったりめでマリンバやボンゴ、コンガといったパーカッションが南国らしさを演出しています。
MAKJ - Party Till We Die
歌詞を見てみるとすぐに歌えそうなほどシンプルで乗りやすい曲です。
シンセベースの激しい音がこれそEDMと言わんばかりの雰囲気を演出しています。
まとめ
今回はEDMについて見ていきました。
- シンセサイザーを用いた電子音が特徴
- 現在主流のダンスミュージックの一つ
- そのジャンルは多岐に渡り、Big RoomやFuture Bounceといったジャンルが有名
日本では有名曲を出すのが難しいですが、意識しないだけで色々な曲にEDMの一面が見られます。