クラシックとは? ~クラシックの成り立ちと歴史~
音楽のジャンルの一つに「クラシック」があります。
有名な曲がいくつもあるのでそのうちの何曲かはご存知だと思うのですが、クラッシクそのものの歴史については知っているようで知らないことが多いでしょう。
それでは「クラシック」とはどのような音楽ジャンルなのかを見ていきましょう。
もくじ
クラシックの歴史
クラシックの定義は諸説ありますので、一概にこれだと言えないのですが、一般的には19世紀までの西洋音楽を指します。
時代を元に区分分けしてみると次のようになります。
- 区分前
- ルネサンス音楽
- バロック音楽
- 古典派音楽
- ロマン派
- 20世紀(近代)
- 現在
ルネサンス以前を区分前と命名していますが、一般的には名前がついていないです。
それでは一区分ごとに見ていきましょう!
区分前
古代エジプトやメソポタミア文明で楽器が使われていることがわかる壁画が見つかっています。
例えば「リラ」と呼ばれる弦楽器が使われていたり、木や石でできた打楽器が儀式や祭祀に使われていたり、動物の角を使った木管楽器のようなものがあったりしました。
その後、6世紀ごろヨーロッパで演奏されていた音楽を「中世音楽」と呼び、グレゴリオ聖歌を代表とする、キリスト教の聖歌がそこにはありました。
現在の音楽理論はメジャースケールとマイナースケールに分類されるところから始まりますが、この当時はモード(旋法)という考えを使って音楽が作られています。
大昔から人間は音楽に興味を持っていたんだね!
ルネサンス音楽(15世紀)
中世の西洋は歴史的にキリスト教を中心とする「宗教」が時代の象徴でした。
ただし、ローマ教皇の権威が強すぎたこともあり、徐々に反対運動が進む中、その一つとしてキリスト教から離れるためにキリスト教を取り入れる以前のローマやギリシャの文化を復興しようという運動が起こりました。これがルネサンス運動です。
ルネサンス以前は楽器の数も少ないですし、現在使われている音楽理論が確立していない時代ですので、モノフォリー音楽(音を重ねず位置音ずつ出していくこと)でしたが、ルネサンス期にはハーモニーが出てきて多声音楽というものが作られます。このように複数の徐々に美しさが出来上がっていくのです。
バロック音楽(17世紀)
ゆがんだ真珠という意味を持つバロックという言葉を用いてこの時代をバロック文化と呼びます。
歴史的には日本は江戸時代で鎖国を行っていたときですが、ヨーロッパに目を向けると、例えばフランスでは絶対王政と呼ばれる王がすべての権力を持ち、支配していた時代です。
芸術や建造物を見ると、権力者が自分の権力を見せつけるということもあり、絢爛豪華で綺羅びやかなものが流行していたのですが、それにしたがって音楽も優雅に作られています。
豪華な宮廷や身分の高い人向けに演奏することが多いので、それに合わせた曲調になります。
「バロック音楽」とは装飾がされすぎてが故にゴチャゴチャしてしまい、ゆがんだ真珠みたいだ!という例えから名前がついたのですが、そうではないシンプルな曲もあります。あくまで、このバロック時代に作られた音楽=バロック音楽という位置づけです。
ハーモニーが重視され、クラシック音楽は進化していきます。ソナタ形式や交響曲などのジャンルができ始めると、現在のコードや理論の土台ができてきたのです。
それに、みなさんも聞いたことがある有名な作曲家が誕生します。「四季」を作曲した「ヴィヴァルディ」、西洋音楽の父と呼ばれる「バッハ」は、男性ですが、音楽の母と呼ばれた「ヘンデル」がいました。
ここで一曲バロック時代に作られた曲を聞いてみてください。
パイプオルガンが似合う一曲です。(余談ですがバロックの前は宗教の力が強く、教会音楽が主流だったことからパイプオルガンはすでにありました。)
古典派音楽
18世紀ですが「古典派」と呼びます。少し不思議な感じがしますね。
この時代は絶対王政に陰りが見え始め少しずつ崩れていく時代です。
歴史的にはヨーロッパのプロイセン(ドイツ)とオーストリアが覇権を握っていました。特にオーストリアには「ハイドン」や「モーツァルト」、「ベートヴェン」といった古典派音楽を代表する有名な音楽家が生まれたことから、ウィーンはまさに音楽の都と呼ばれるようになりました。
バイオリンやピアノの原形ができ始めたということもあり、彼らが「交響曲」や「弦楽四重奏」といった音楽ジャンルを作りあげてクラシックは加速していくのです。
シンフォニーの父と呼ばれる「ハイドン」は「きらきら星」。「アイネクライネナハトムジーク」、「木星」といった有名曲を作り出した「モーツァルト」、そして「ベートーヴェン」は「第九」や「運命」が有名ですね。
トルコ行進曲/モーツァルト/Turkish March/Mozart/ピアノ-Piano/CANACANA
ロマン派音楽
19世紀には世界史が大きく動きます。
ロマン派の第一世代はシューベルトが、第2世代はショパンやリストといった音楽家が活躍しました。
フランス革命によってウィーン体制が解体されるのを皮切りに各諸国はそれぞれの国で議会を持ち、近代国家が成り立ち始めます。
それまで音楽の都はウィーンでしたが、ヨーロッパ全土に音楽が広まっていくのです。つまり、音楽は一部の人の楽しみから、欧州全体の楽しみへと広まっていきました。
戦争が各地で起こったり植民地化が進むことにより更に音楽が変わっていくことで、新たなジャンルが出たり、暗い世界を変えるように明るい曲が作られたりしました。バッハとベートーヴェンに並ぶドイツの3Bの一人「ブラームス」や「ワーグナー」の「トリスタンとイゾルデ」はオペラで有名です。さらに「月の光」を作曲したドビュッシーなどもこの時代です。
いわゆるクラシックと呼ばれるのはこのロマン派音楽の時代までを指すことが多いです。
これ以降はクラシック(Classic : 古典的)に対してモダン(現代)音楽と呼ばれたりします。
20世紀
音楽は様々な形が作られてここからはクラシックを元にして曲が作られ、特に戦後はジャンルが多様化し、ジャズやロック、ポップスに始まり、様々な音楽が出てきます。
また、ラジオに始まり、テレビやレコード、CD、動画とメディアが続々出てきて現在ではサブスクという形で簡単に新しい曲を聞くことができるようになりました。
今回はクラシックの歴史の紹介ですのでここは割愛します。
まとめ
今回はクラシックについて見ていきました。
- バロック文化にコードや理論の土台ができた
- 古典派時代にはモーツァルトやベートーヴェンが活躍した。
- ロマン派音楽にはショパンやブラームス、ドビュッシーなどが台頭する
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