打楽器とは? ~打楽器の成り立ちの歴史~

今回は「打楽器」について見ていきましょう。

打楽器はドラムや太鼓といった楽器が代表的で、その楽器一つで曲を演奏することはあまりなく、グループの中で機能します。

それに打楽器は楽曲のリズムを作る大事な役割があります。

それでは「打楽器」とはどのような楽器なのか詳しく見ていきましょう。

もくじ

打楽器の特徴

打楽器の多くに共通しているのは叩けば音が出るということです。

もちろん、理想通りの音をピンポイントで出し続けるのは相当な技術が必要ですので、叩き方によって音色が変わります。

しかし、ギターやベースのように特定の箇所を押さえなければ「ド」の音が出なかったり、トランペットやホルンのように指で抑えて息を入れるという日常的に行わない動作をするわけでもなく、叩くためのスティックで楽器を叩けば音が出るというのはやはり打楽器の特徴でしょう。

そのため、初心者の方でも少しとっつきやすい印象があると思います。

打楽器の役割

音楽の三要素はメロディー、ハーモニー、リズムですが、打楽器は押さえ方によって音の高低が変わったり、和音を奏でられない楽器がほとんどなので、主にリズムを担当することになります。

ちなみにパーカッションは広義の意味で打楽器の中に含まれ、その中でも主に手で演奏する楽器を指します。

打楽器の歴史

具体的にいつ頃から出てきたのかははっきりしていませんが、先史時代にまで遡ると言われています。

有名な古代四文明で石や木を使った打楽器らしき絵が描かれており、儀式や祭祀などの文化的活動や、戦争に使われていました。

中世に入ると、太鼓だけでなくシンバルも含まれるようになり、変化が生まれました。

19世紀になるとジャズやロックが発展し、それに伴ってドラムを中心に打楽器が作られてきました。

代表的な打楽器

打楽器の中でも代表的な5つを紹介します。

ドラム

ドラムは主にハイハット、スネアドラム、ハイタム、ロータム、フロアタム、バスドラム、シンバルからなる楽器です。

シンバルはクラッシュシンバルやライドシンバル、チャイナシンバルなど種類があったり、タムにはミドルタムが追加されたりしますがだいたいこの構成で成り立ちます。

バンドでは一番後ろに配置されることが多いため決してメインで目立つことは少ないとはいえ、J-POPやロックに欠かせない楽器となっています。

両手両足をバラバラに動かしていると思いきや意外とリンクしていますよ。

完全感覚Dreamer (ONE OK ROCK) - 演奏

タンバリン

学校で見たことがあるかもしれませんね。

手で演奏する楽器で、全長で30cmくらいで、高さ(胴の深さ)が5cmほどと、楽器の中ではかなり小柄で軽い上に降ったときの明るい音から教育用楽器としてよく使われます。

金属やプラスチックでできている場合もあり、実は安いものだと2000円くらいで買えます。

また、一般的にはタンバリンと呼びますが、小学校で使用されている、文部科学省から発行されている教育用音楽用語という冊子ではタンブリンと書かれています。

聞いてみるとわかりますが、音の出し方やリズムの取り方は多彩です。

マリンバ

現代に至るまで形を変えているのですが、今では木琴に金属のパイプが付いている形が一般的です。

木製のバーが温かみのある音を出し、さらにその下についている金属のパイプが音を共鳴させるのが特徴的です。

マリンバの音板を叩くバチをマレットと言います。持ち手は木で出てきており、叩く部分はフェルト生地などでできた布で覆われることが多いですが、もちろん覆われていない物もあり、音の柔らかさに差が出ます。

他の打楽器は叩くとそこから音が出ますが、マリンバの場合は叩いた場所からだけでなく、共鳴管の中で響いて音が出るのが特徴です。

【マリンバ演奏】パイレーツ・オブ・カリビアンより「彼こそが海賊」Pirates of the Caribbean〜He's the pirate〜

ディンパニー

主に銅でできている大柄な打楽器です。

太鼓の一種で、鼓面は牛や羊の皮が多かったのですが、現在では樹脂製のものが多いです。

4台で一組とみなすことが多く、小さいものから23, 26, 29, 32inchで、場合によってはそれよりも小さい20~21inchのティンパニを追加することがあります。

オーケストラの打楽器といえばティンパニーの名を挙げることもあり、実は有名な打楽器だったりします。

また、足元にペダルがあり、これを踏むことで音色を変えられるのです。

打楽器で音程を変えられるのは珍しく、一つのティンパニが出せる音域はF2~F3あたりの一オクターブ。この範囲外ですと、皮が張りすぎて響かない音になってしまいますので、幅広い音色を出して演奏するためにはティンパニを複数台用いるのです。

マリンバと同じくマレットを使って叩いて演奏しています。

conscientious timpanist

太鼓

太鼓の起源は分かっていませんが、お祭りや儀式で使われていたと言われており、日本では能や狂言といった伝統芸能で見かけますね。

太鼓といえば和太鼓を想像するかもしれませんが、ここで紹介したティンパニーやドラムにも太鼓が使われているので打楽器を代表する楽器なのです。

他にもブラジルのサンバ、北米の先住民族で使用されるシャーマンドラム、それにアフリカで見かける太鼓をアフリカンドラムと呼び、世界各地で使われています。

このような説明をしましたが和太鼓の演奏を紹介します。何と言っても力強さが伝わってくる楽器ですよね。

鼓童「族」 Kodo “Zoku” (Full Version)

打楽器はまだまだあり、コンサートバスドラム(グランカッサ)と呼ばれる大太鼓や、マーチングバンドではスネアドラムが見受けられたり、それにオーケストラでは合わせシンバルを見たことがあるでしょう。

まとめ

今回は打楽器について見ていきました。

  • 音色を変えられる楽器は少なく、リズムを担当することが多い
  • 打楽器にはドラムを中心にマリンバ、ティンパニ、太鼓などがあります。
  • ジャンル問わず活躍できる


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